マチのブログ

ブンブブーン。ハローはてなブログ。どうも、ヒカキンです。

二十歳の男が図書館で絵本を借りるという行為。

僕は絵本が好きだ。なぜかというと「絵」が好きだからだ。絵本には魅力的な絵が多い。本屋さんや図書館に行くと必ず絵本コーナーへ行き、どんな絵本があるのか確認している。

けれど問題がある。僕が二十歳の男性ということだ。そして人の目を気にしすぎるということだ。

絵本コーナーへ行きづらいのだ。

幼い子供やその母親が絵本コーナーにいると行かない。というか行けない。どう思われるのかが気になるのだ。考えすぎだとは思っている。でもどうしても考えてしまう。

若い男性が絵本コーナーで絵本を立ち読みしている姿はあまり見たことがない。

これは9月9日土曜日のことだ。僕は2週間に一度図書館に行く。それがこの日だ。

図書館に行き、借りていた本を返却する。その後すぐに絵本コーナーへ行く。

なぜ最初に絵本コーナーへ行くか。それは人がいるかどうか確認する為だ。人がいなければ借りたい絵本を探す。人がいた場合、絵本コーナーへは行かず小説や気になる本を探す。そうして本を探している間に大抵、絵本コーナーにいた人はいなくなっている。

完璧な作戦だった。

僕は足早に絵本コーナーへ向かった。人がいるか気になるからどうしても足早になってしまう。

人がいた。女性1人に男児1人、そして女児1人。どう考えても親子だった。

僕はそそくさと小説コーナーへ向かった。

20分たった。

絵本以外は借りたい本も見つかった。もういなくなっているだろうと思い、絵本コーナーへ向かった。

まだいた。

僕は絶望したと同時にこの親子はいつまで絵本コーナーにいるのだろうかと思った。でも仕方がなかった。全ての原因は僕の性格のせいだからだ。

僕は隣の児童書が置いてある部屋へ入った。この部屋も中々入りづらいが今日は誰もいなかった。

この状況に僕は安堵した。

10分たった。絵本コーナーへ行く。

まだいた。

もう良いと思った。もうどう思われても良いと僕は思った。

絵本コーナーへ入る覚悟を決めたのだ。

絵本コーナーは土足厳禁だ。靴を脱いで入らなければならない。

僕は靴を脱いだ。そして脱いだ靴を綺麗にそろえ、向きを外側にし、端に置いた。あくまで紳士で乱暴な男ではありませんよと、その親子に対しての精一杯のアピールだ。

か行を調べる。「かさ」という絵本が借りたかったのだが、無かった。残念だが仕方ない。代わりに「からすのパン屋さん」を借りた。僕の好きな絵本の一つだ。

その他3冊、合計4冊の絵本を借りた。もう十分だ。僕は出口へ向かった。

絵本コーナーの壁に「ふしんな人に声をかけられたら、図書館の人に助けをもとめましょう。」という文字とともに警察のイラストが描かれているポスターが貼ってあったのに気付いた。

その時、絵本コーナーへ女性1人、女児1人が入って来た。少し動揺したが、何の問題も無い。僕は不審な人物でもなければ子供に声をかけるつもりも無かったからだ。

僕は絵本が読みたいだけなのだ。

この親子が先に入るか、それとも僕が先に出るか、という状況になった。

僕は端によりお先にどうぞ、とあくまで紳士的な行動をとる。2人は靴を脱ごうとする。その時女児が靴を脱ぐのにふらついてしまい、僕の靴を踏んでしまった。

母親が「すいません」と僕に向かって謝る。

僕は笑った。笑ったというより微笑んだという方が近いかもしれない。僕は何も言わず、ただ微笑んだのだ。

2人は僕の横を通りすぎ、絵本コーナーへ入って行った。

僕は靴を履き、かかとを踏んだまま絵本コーナーを後にする。7,8m進んだところで靴をきちんと履く。

そして僕は図書館の貸出口へ向かった。

終わり。